【初心者必見】グラフィックボードとは?用途や選び方をわかりやすく解説
公開日 2025/2/17 更新日 2025/2/17
監修者・著者名 シー・エフ・デー販売

グラフィックボードは、高画質なゲーム体験・快適な動画編集を実現するPCパーツです。本記事では、初心者向けにグラフィックボードの基本を解説。グラフィックボードの用途や基本構成、搭載のメリット、選び方のポイント・注意点などをお伝えします。おすすめのグラフィックボードも紹介するので、購入時の参考にしてみてください。
目次
グラフィックボードとは
グラフィックボードとは、コンピュータの映像処理を担当するハードウェアのことです。 |
グラフィックボードには、画像処理に特化した「GPU」と呼ばれるパーツが内蔵されています。また、専用のビデオメモリ(VRAM)を搭載しており、大量のデータを迅速に処理する能力があります。
パソコンにグラフィックボードを搭載することで、高解像度の映像や3Dゲームを快適に楽しめるでしょう。とくにPCゲームや動画編集、3Dモデリングなどに最適なハードウェアです。
グラフィックボードの必要性は?主な用途を紹介
・PCゲーム
・画像・動画編集 ・VR・AR体験 ・3DCAD作成 ・AI処理 |
グラフィックボードは、コンピュータの映像処理能力を大幅に向上させるため、多くの分野で必要不可欠な存在です。とくに以下のような、高解像度の3Dゲームやクリエイティブな作業においてその性能が求められます。
・PCゲーム
PCゲームを楽しむためには、高性能なグラフィックボードが不可欠といえます。
最新のゲームはリアルなグラフィックスや高速なフレームレートが必要な場面が多いため、優れた映像処理能力が必要です。高性能なグラフィックボードを搭載することで、滑らかな映像表現と快適なゲームプレイが可能になります。
グラフィックボードはゲームの映像品質を大きく左右するパーツです。とくに、4K解像度やレイトレーシング技術を活用したゲームでは、より強力なGPUが求められます。
・画像・動画編集
高解像度の画像や4K動画の編集には、多くの計算能力が必要です。専用のグラフィックボードを搭載することで、編集作業がスムーズに進み、効率が大幅に向上します。
グラフィックボードは、リアルタイムでのプレビューやエフェクト適用時の処理速度を向上させます。クリエイティブな作業にとっては欠かせないパーツといえるでしょう。
・VR・AR体験
VR(仮想現実)やAR(拡張現実)体験は、高解像度の映像をリアルタイムで処理するため、高い計算能力が求められます。専用のグラフィックボードを搭載することで、滑らかでリアルな体験が可能です。
また、複雑な3D環境や動的なオブジェクトの処理にも対応できるため、より高度なアプリケーション開発が可能になるでしょう。
・3DCAD作成
複雑な3Dモデルの描画や映像処理には高い計算能力が必要です。そのため、既存の内蔵グラフィックスでは処理が遅くなることがあります。専用のグラフィックボードを搭載することで、作業がスムーズに進みます。
リアルタイムでのモデル回転やズーム、詳細な映像処理を可能にし、3DCAD作成を効率的に行うことが可能です。
・AI処理
ディープラーニングや機械学習のモデルをトレーニングする際には、大量のデータを高速で処理する能力が求められます。専用のグラフィックボードを搭載することで、効率的な処理が可能になり、研究や開発のスピードが大幅に向上するでしょう。
グラフィックボードは複数の作業を独立して行う並列処理に優れており、多数の計算を同時に行えます。これにより、AIモデルのトレーニング時間が短縮され、より複雑なモデルの開発も可能です。
【基礎知識】グラフィックボードを構成するパーツ

・GPU
・VRAM ・冷却ファン ・出力端子 |
・GPU
GPUはグラフィックボードの中枢的なパーツであり、映像処理を専門に行います。複雑な計算を効率的に行い、高精細な映像を処理する役割を担います。
GPUは、多数のコア(処理ユニット数)を持つことで一度に多くの計算が可能です。GPUの性能が高いほど、ゲームや動画編集、AI処理など様々な分野での処理がスムーズに行えます。
✓GPUとCPUの違いは?
GPUは画像処理に特化したパーツであり、CPUはパソコン全体の制御と計算を担当する「PCの脳」と呼ばれるパーツです。どちらもパソコンには欠かせないものですが、GPUは「映像処理」、CPUは「パソコン全体」と、その役割の範囲が異なります。 |
・VRAM(ビデオメモリ・グラフィックメモリ)
VRAMは、映像データを一時的に保存するためのメモリであり、GPUがデータ処理するための映像処理専用メモリです。
VRAMの容量が大きいほど、高解像度の映像や複数のディスプレイを同時に扱う際のパフォーマンスが向上します。ゲーム用途には8GB以上、3DCAD作成などの3D処理が必要な用途には12GB以上の容量が必要になる場合もあります。
・冷却ファン
水冷モデルやファンレスモデルなど特別なものを除き、グラフィックボードには、温度を適切に保つため冷却ファンが付いています。GPUは大量の熱を発生させるため、冷却ファンは安定した動作に欠かせないパーツです。
冷却が不十分だとパフォーマンスが落ち、正常に作動しなくなる恐れがあります。適切に冷却することで動作が安定し、製品寿命も延ばせるでしょう。
シングルファン、デュアルファン、トリプルファンがあり、ファンの数によって冷却性能が異なります。ファンの数が多いほど冷却性能や静音性が向上しますが、サイズが大きくなるため、使い方や使う場所を考慮して選ぶことが大切です。
・出力端子
出力端子は、グラフィックボードとモニターを接続するための端子です。主な出力端子にはHDMI、DisplayPort、DVI、VGAなどがあます。各端子の特徴は異なるため、接続するモニターや用途に応じて選択しましょう。
HDMIは音声信号も伝送可能で家庭用機器に広く使われている端子です。また、DisplayPortはより高解像度や高リフレッシュレートに対応しています。(製品によって搭載されている出力端子やバージョンが違うため、メーカーの製品ページの仕様欄等をご確認ください)
グラフィックボードを搭載するメリット

・高品質な映像が楽しめる
・高画質な画像・動画編集が快適になる ・AI処理の能力がアップする |
グラフィックボードを搭載することで、パソコンの映像処理能力が大幅に向上します。ここでは、グラフィックボードを搭載する具体的なメリットを3つご紹介します。
・高品質な映像が楽しめる
グラフィックボードを搭載することで、高品質な映像を楽しむことができます。とくに高解像度のディスプレイや4Kモニターを使用する際は、より鮮明で滑らかな映像体験が可能です。
また、「レイトレーシング」のようなより映像をリアルにする新技術に対応したグラフィックボードも。これらは主に3Dゲームなどに利用されます。
このような新技術に対応したグラフィックボードを活用することで、ゲームの際さらにリアルで臨場感あふれる映像を味わえるでしょう。
・高画質な画像・動画の編集が快適になる
グラフィックボードを搭載することで、高画質な画像・動画の編集も快適になります。高性能なグラフィックボードは、画像や動画の描画処理速度を向上させるため、編集作業がスムーズに進むでしょう。
・AI処理の能力がアップする
グラフィックボードは、大量のデータを高速で処理できるため、AIを活用したアプリケーションの開発や運用もスムーズに行えます。
画像認識や自然言語処理などの高度なタスクも効率よく処理できるため、AI分野での作業効率が飛躍的に向上するでしょう。
グラフィックボードを搭載する際の注意点
・他のPCパーツより価格が高い傾向にある
・消費電力が増える ・冷却ファンの動作音が気になることもある |
グラフィックボードを搭載する際には、いくつかの注意点があります。パソコンの最適なパフォーマンスを引き出すために、以下の点に注意しましょう。
・他のPCパーツより価格が高い傾向にある
グラフィックボードの価格は、他のPC部品に比べて高額であるケースが多いです。とくに高性能なモデルでは、価格が数万円から数十万円に達することもあります。
また、軽めの用途には適しているエントリーモデルは比較的安価ですが、高負荷な作業には向かないことがあります。自分の用途に合った製品を選ぶ際には、予算と必要な性能をしっかりと見極めましょう。
・消費電力が増える
高性能なグラフィックボードは、性能を発揮するために多くの電力を消費する傾向があります。最新のハイエンドグラフィックボードは、とくに消費電力が大きいです。
消費電力が大きいとパソコンの電源ユニットの供給電力が不足し、パソコンの動作が不安定になる可能性があります。最悪の場合、システムクラッシュやハードウェアの故障を引き起こすこともあるため、注意が必要です。
電源ユニットの容量や買い替え等を考慮しながら、グラフィックボードの購入を検討するのがよいでしょう。
・冷却ファンの動作音が気になることもある
グラフィックボードが高負荷状態になると、冷却ファンが高速で回転するため、動作音が気になることがあります。もし音が気になる場合は、低負荷時(GPUの熱が一定より低い時)にファンの回転を止める「セミファンレス機能」がついているものを選ぶとよいでしょう。
また、ファンには埃が溜まりやすいため、定期的に掃除することが大切です。定期的にメンテナンスすると、冷却機能が回復し動作音が軽減されるケースもあります。最近では水冷式のモデルもあるため、そちらを検討してみるのもおすすめです。
搭載されているグラフィックボードを確認する2つの方法
グラフィックボードをすでに搭載している状態で、パソコンやグラフィックボードを購入・交換する場合は、事前に搭載済みのグラフィックボード情報を確認しましょう。以下で具体的な確認方法を2つご紹介します。
・ツールを使ってグラフィックボードを確認する
1. Windowsメニューの検索ボックスに「dxdiag」と入力

2. DirectX診断ツールのウインドウの「ディスプレイ」からグラフィックを確認

・ツールを使わずにグラフィックボードを確認する
1. デスクトップの左下にあるスタートメニューアイコンの上で右クリック→「タスクマネージャー」をクリック

2. 左の欄から「パフォーマンス」をクリック→「GPU」を選択しグラフィックを確認

グラフィックボードを選ぶときに見る4つのポイント
・メーカーとシリーズ
・型番 ・スペック ・最大解像度 |
以下で、グラフィックボードを選ぶ際のポイントをまとめてみました。見るべきポイントを考慮し、最適なグラフィックボードを選びましょう。
・メーカーとシリーズ
グラフィックボードを選ぶ際は、まずは一般的に普及しているメーカーやシリーズを押さえましょう。
主なメーカーとしては、「NVIDIA」「AMD」「Intel」などが有名です。これらは厳密にいうと「GPU」のメーカーになります。(GPUとは何か分からない方は「グラフィックボードを構成するパーツ」でご確認ください)
GPUメーカーからGPUの供給を受け、実際にグラフィックボードを作っているグラフィックボードメーカーとして「玄人志向」「GIGABYTE」「ASUS」「MSI」などがあります。
各メーカーが出しているシリーズにも注目しましょう。有名なシリーズとしてNVIDIAの「GeForce」、AMDの「Radeon」、「Intel」の「Aシリーズ」などがあります。
メーカーやシリーズごとの特徴をふまえて、用途に合わせグラフィックボードを選ぶことが大切です。
一般~ビジネス向けのグラフィックボード | |
---|---|
NVIDIA | 「GeForce RTXシリーズ」の製品はこちら |
AMD | 「Radeonシリーズ」の製品はこちら |
Intel | 「Aシリーズ」の製品はこちら |
・型番
グラフィックボードの型番は、その性能を示す指標です。グラフィックボードを選ぶ時は型番も確認しておきましょう。
以下の表で、GALAKURO GAMINGのグラフィックボード「GG-RTX4060-E8GB/SF」を例に見方を解説します。
「RTX4060」がGPU名にあたり、GeForce RTX 4000シリーズの中でもミドルクラスのモデルであることを示しています。
グラフィックボードメーカーにより型番による表現は異なります。
名称 | 意味 | 内容 |
---|---|---|
GG | ブランド名 | GALAKURO GAMING ブランド |
RTX | GeForceのグレード | RTX > GTX > GTの順で高性能 |
40 | 世代 | 数字が大きいものほど世代が新しく高性能 |
60 | 性能 | 同世代の中では数字が大きいほうが高性能 |
E | バス | PCI Express |
8GB | VRAM容量 | 8GBのビデオメモリを搭載 |
SF | 冷却システム | シングルファンを搭載 |
・スペック
スペックは、グラフィックボードの性能を示す重要な指標です。使用用途に合ったスペックのものを選びましょう。
スペックは、「GPU・クロック周波数・メモリ容量」などで確認できます。スペックの見方を以下でまとめたので、参考にご覧ください。
GPU | ・画像処理のための中枢パーツ ・グレードや世代が新しいほど基本的には性能が高い |
---|---|
クロック周波数 | ・GPUの動作速度を示す ・大きいほど処理が速い |
メモリ容量 | ・VRAMの容量のこと ・大きいほど高解像度となる ・複数のアプリケーションに対応可能 |
消費電力 | ・使用する電力量のこと ・高性能モデルは消費電力が大きくなる傾向がある |
冷却性能 | ・冷却による熱管理の性能のこと ・冷却性能が高いほど安定した動作が可能 |
・最大解像度
最大解像度とは、ディスプレイが表示できる最高の精細度を指します。ディスプレイの解像度に応じた最大解像度を選ぶことが大切です。
以下に、主な解像度の種類をまとめました。
呼び名 | 縦横のピクセル数 |
---|---|
8K | 7680 × 4320 |
4K | 3840 × 2160 |
WQHD | 2560 × 1440 |
FHD | 1920 × 1080 |
UXGA | 1600 × 1200 |
HD+ | 1600 × 900 |
WXGA | 1280 × 768、1366 × 768、1280 × 800 |
SXGA | 1280 × 1024 |
XGA | 1024 × 768 |
VGA | 640 × 480 |
✓ディスプレイの解像度を確認する方法

デスクトップで右クリック > ディスプレイ設定 > ディスプレイの詳細設定
※ Windows 11の場合
【迷ったらこれ!】おすすめのグラフィックボード3選
グラフィックボード選びに迷っている方のために、ここではおすすめの3つのモデルを紹介します。最新のゲームやクリエイティブな作業を快適に楽しむために、ぜひ参考にしてください。
・GV-N4060GAMING OC-8GD【3連高冷却ファン搭載オーバークロックモデル】

GV-N4060GAMING OC-8GD | GIGABYTE(ギガバイト) NVIDIA GeForce RTX 4060 搭載 ゲーミングPC向け オーバークロック グラフィックボード
メーカー | GIGABYTE |
---|---|
GPU | GeForce RTX 4060 |
メモリ容量 | GDDR6 8GB |
おすすめポイント | ・コアクロック 2550MHz、3連ファン搭載、高コストパフォーマンスモデル ・レイトレーシング、アップスケーリング機能NVIDIA DLSS 3に対応 |
・RD-RX7600-E8GB【入手しやすい価格帯で初めての増設におすすめ】

RD-RX7600-E8GB | 玄人志向 Radeon RX 7600 搭載 グラフィックボード
メーカー | 玄人志向 |
---|---|
GPU | Radeon RX 7600 |
メモリ容量 | GDDR6 8GB |
おすすめポイント | ・入手しやすい価格帯の高コストパフォーマンス ・アップスケーリング機能 AMD FidelityFX Super Resolutionに対応 |
・GK-RTX4060-E8GB/WHITE/LP【ロープロファイル対応の省スペースモデル】

GK-RTX4060-E8GB/WHITE/LP | 玄人志向 NVIDIA GeForce RTX 4060 搭載 ロープロファイル対応 グラフィックボード
メーカー | 玄人志向 |
---|---|
GPU | GeForce RTX 4060 |
メモリ容量 | GDDR6 8GB |
おすすめポイント | ・本体寸法182 x 69 x 40 mmのコンパクトサイズながら高パフォーマンス ・アップスケーリング機能NVIDIA DLSS 3やレイトレーシングに対応 |
グラフィックボードに関するよくある質問
Q.GPUとCPUの違いは?
A. GPUはパソコンの画像処理に特化したパーツであり、CPUはパソコン全体の制御・計算を担うパーツです。GPUは画像処理に特化し、多数のコアで並列処理(※)を行うため、大量のデータ処理を得意とします。一方、CPUは少数のコアで幅広いタスクを効率的に処理します。
※ 並列処理とは、データを分割し、複数のプロセッサやスレッドで同時に処理する手法のこと
Q.グラフィックボードとビデオカード・グラフィックカードの違いは?
A.グラフィックボード、ビデオカード、グラフィックカードは同じ意味で使われており、どれも映像処理専用の基板を指します。これらはすべてGPUを搭載し、映像出力を行います。
最初は「ビデオカード」という呼び方が一般的でしたが、徐々に「グラフィックボード」「グラフィックカード」と呼ばれるようになりました。
Q.パソコンには必ずグラフィックボードが必要?
A. パソコンには必ずしもグラフィックボードが必要ということはありません。
しかし、映像を出力したい場合は注意が必要です。パソコンのCPUには映像処理を行うGPUが内蔵されているものと、されていないものがあります。そのため、GPUが内蔵されていないパソコンを使用する場合は、グラフィックボードが必要になります。
また、GPUが内蔵されたパソコンであっても、高性能な映像処理を求める方にはグラフィックボードの搭載がおすすめです。
あなたにぴったりのグラフィックボードで快適なPCライフを
グラフィックボードとは、コンピュータの映像処理を担当するハードウェアです。グラフィックボードを搭載することで、高品質な画像・映像を楽しむことができます。ゲームのグラフィックスはより美しく滑らかに、クリエイティブ作業はより快適になるでしょう。
グラフィックボードの基礎知識や選び方・注意点なども解説しましたので、購入を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
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