SSDのPCIe 3.0と4.0に互換性はある?4.0/5.0へのアップグレードの必要性も解説

公開日 2025/5/9 更新日 2025/5/9

監修者・著者名 シー・エフ・デー販売


近年のSSD価格の下落傾向に伴い、「PCIe3.0と4.0の互換性」「PCIe4.0と5.0の互換性」について詳しく知りたい方も多いでしょう。本記事では、PCIeの基本知識から、SSD
の3.0/4.0、4.0/5.0の互換性について解説します。4.0や5.0へのアップグレードが必要かどうかも説明するのでぜひ参考にご覧ください。


目次


SSDにおけるPCIe(PCI Express)とは



そもそも「PCIe(PCI Express)」とは、高速データ転送を行うための接続規格のひとつです。「Peripheral Component Interconnect Express」の略で、パソコンのマザーボードにSSDやグラフィックボードを接続するための拡張スロット(差し込む場所)の規格を指します。

PCIeは、主に以下のパーツをマザーボードに接続する際に使用されます。


・グラフィックボード
・SSD
・そのほかさまざまな拡張カード(USB拡張カード、サウンドカードなど)

SSDをPCIe規格で接続する際は「M.2」と呼ばれるスロットが使用されます。M.2スロットの形状はグラフィックボード等を接続するPCIeスロットとは異なります。この際、SSDも「M.2 NVMe」 規格のものが必要です。




「PCIe 3.0」「PCIe 4.0」「PCIe 0.5」の違い


現在、PCIeには「PCIe 1.0、2.0、3.0、4.0、5.0」の5つの世代があります。基本的には、新しい世代になるほど高速転送になります。

近年の主流は「PCIe 4.0」であり、次いで「PCIe 5.0」も増えてきています。一方、「PCIe 3.0」は減ってきている状況です。

PCIeは、世代によって転送速度が異なります。SSDをパソコンに追加するためのM.2スロットは、最近では「x4レーン」が主流です。世代が新しいほど、1レーンあたりの「転送レート(転送数)」と「帯域幅(通信速度の上限)」が上がり、データ転送速度が速くなります。

※レーンとは、スロットとCPUのデータ転送路のこと。「何本の道で通信ができるか」というイメージ。「x4レーン」であれば”4本の道”でデータ転送

「PCIe 3.0」は、2010年に規格策定されました。データ転送速度は8GT/s(ギガトランスファー毎秒)で、それより前の世代と比べ速いのが特徴です。

「PCIe 4.0」は2017年に規格策定されました。データ転送速度は16GT/sで、PCIe 3.0の帯域幅の2倍になります。

「PCIe 5.0」は2019年に規格策定されました。データ転送速度は32GT/sで、PCIe 3.0の4倍、PCIe 4.0の2倍の性能を誇ります。

下記の表は、「単方向帯域幅」をまとめたものです。(ただし理論上の最大値であり、実際の転送速度は「4/5」程)



×1 ×2 ×4
PCIe 3.0 1 GB/s 4 GB/s 16 GB/s
PCIe 4.0 2 GB/s 8 GB/s 32 GB/s
PCIe 4.0 4 GB/s 16 GB/s 64 GB/s

PCIe 3.0とPCIe 4.0/ 5.0に互換性はある?


PCIe 3.0とPCIe 4.0/5.0には、互換性があります。下位互換ができるため、PCIe 4.0/5.0対応のSSDを、PCIe 3.0のスロットに差し込むことは可能です。

しかし、データ転送速度はスロットのPCIe 3.0仕様に制限されるため、PCIe 3.0のスピード、帯域幅、転送速度で動作します。つまり、PCIe 4.0/5.0の最大性能は発揮できなくなります。

両者に互換性はありますが、性能を最大限利用するには、同世代のSSDとスロットを組み合わせたほうがよいといえます。




PCIe 3.0からPCIe 4.0/5.0にアップグレードするべき?


PCIe 3.0からPCIe 4.0/5.0へアップグレードする価値があるかは、個人の利用目的やニーズにより異なります。現在のSSDのデータ転送速度に満足している方は、PCIe 4.0/5.0マザーボードへアップグレードする必要性は高くないでしょう。

しかし、アップグレードによるメリットは大きいです。特に、SSDのPCIeの帯域幅を上げ転送速度を向上させることで、ゲームのロード時間を短縮したい、クリエイティブ作業を効率化したい、など目的がある方はPCIe 4.0/5.0の恩恵を十分に受けられます。よりスムーズで快適なPC環境を求めるなら、アップグレードを積極的に検討するのがおすすめです。

また、現在PCIe4.0のマザーボードを使用していて、5.0へのアップグレードを考えている方も同様に検討してみましょう。


アップグレードがおすすめの人 ・SSDを差し替えて転送速度を上げたい人
・ゲームなどを利用する際のパソコン全体のスピードを上げたい人
アップグレードしなくてもよい人 ・転送速度に不満はない人
・インターネット閲覧などのみで、重い作業はしない人

PCIe 3.0の環境でPCIe 4.0/5.0対応SSDを使うメリットはある?


前述したように、PCIe3.0と4.0/5.0には互換性があるため、3.0スロットに4.0/5.0対応のSSDを接続して使用することは可能です。PCIe3.0と4.0/5.0では下位互換されてしまい、4.0/5.0の性能を十分に活かしきれないケースがありますが、PCIe3.0の環境でPCIe4.0/5.0のSSDを使うメリットもあります。

たとえば、PCIe 3.0スロットにPCIe 4.0/5.0対応SSDなどを使用した場合、最大転送速度は制限されます。しかし「ランダムアクセス性能」はもともと極端に高速な転送を必要としないため性能を発揮する場合があります。ランダムアクセス性能とは、小さいサイズのファイルを1秒間に処理できる速度のことです。IOPS(Input/Output Operations Per Second)と呼ばれる単位を使います。

また、PC Markなどのベンチマークにおいても、PCIe 3.0環境で処理能力がそれほど落ちず、4.0/5.0環境と大きな差が出づらい傾向があります

将来、パソコンを買い替えする時に使い回しもできるので、PCIe 4.0/5.0対応SSDなどを先に揃えておくのも1つの選択肢といえます。


「PCIe 4.0」「PCIe 5.0」のおすすめSSD4選

・CT1000T700SSD5JP【高速ハイエンドモデル】

CT1000T700SSD5JP | Crucial T705シリーズ Read最大11,700MB/s M.2-2280 NVMe接続 ヒートシンク付き SSD 1TB

メーカー: Crucial
容量: 1TB、2TB、4TB
PCIe:Gen5 x4
おすすめポイント:最大12,400MB/s(4TB、2TB)の読込速度で圧倒的なパフォーマンスを発揮。ヒートシンク付属モデルは別途用意が不要で安定動作。

・CT4000T700SSD3JP【高速ハイエンドモデル・ヒートシンク無し】

CT4000T700SSD3JP | Crucial T700シリーズ Read最大12,400MB/s M.2-2280 NVMe接続 SSD 4TB

メーカー: Crucial
容量: 1TB、2TB、4TB
PCIe:Gen5 x4
おすすめポイント:最大12,400MB/s(4TB、2TB)の読込速度で圧倒的なパフォーマンスを発揮

・CSSD-M2L5HSFT6KE【消費電力と発熱を削減するecoモード対応】

CSSD-M2L5HSFT6KE | 消費電力と発熱を削減するecoモード対応 M.2 NVMe接続 SSD 512GB

メーカー: シー・エフ・デー販売
容量: 512GB、1TB、2TB、4TB
PCIe:Gen4 x4
おすすめポイント:最大読込速度6,000MB/sのミドルレンジモデル。ecoモードに対応しており、設定を有効にすることで消費電力を約10%削減し、発熱も抑えることが可能

・CSSD-M2L1KSFT4KG【高性能・ハイコストパフォーマンス】

CSSD-M2L1KSFT4KG | CFD SFT4000G シリーズ PS5®やPCのアップグレード向け Read最大4400MB/s M.2-2280 NVMe接続 極薄ヒートシンク付き SSD 1TB

メーカー: シー・エフ・デー販売
容量: 1TB、2TB、4TB
PCIe:Gen4 x4
おすすめポイント:PS5やパソコンのアップグレードに最適で、最大4,400MB/sの高速読込が可能。性能とコストのバランスが良く、多様な用途に対応

PCの使い方やニーズに合わせて環境・パーツを選ぼう

PCIe3.0と4.0、PCIe4.0と5.0にはそれぞれ互換性がありますが、下位互換されるため最大転送速度を十分に発揮することはできません。しかし、それ以外の面ではメリットを得られるケースもあります。重視したい性能や使い方を考慮し、アップグレードをすべきかを検討してみてください。

最大転送速度を重視したい方や、将来を見据えてPCIe4.0や5.0対応のSSDを購入したいと考えている方は、記事内でご紹介した 『CFD販売』のおすすめ製品をチェックしてみましょう。

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