動画編集のグラフィックボードおすすめ3選!必要スペックと選び方も解説

公開日 2025/7/9 更新日 2025/7/9

監修者・著者名 シー・エフ・デー販売


動画編集を始めるにあたり、グラフィックボードの搭載を迷っている人も多いのではないでしょうか。本記事では、動画編集用グラフィックボードの必要性やメリット・デメリット、選び方を解説します。動画編集にぴったりなグラフィックボード3選もご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

目次


動画編集にグラフィックボードは必要?


高品質な動画編集を行いたい場合、グラフィックボードは必要になります。

簡単な動画編集であれは、内蔵のGPU(CPUあるいはM/Bのチップセットに最初から内蔵されているGPU)でも可能です。しかし、内蔵GPUはグラフィックボード内に実装されるGPUに比べ多くの場合、性能で劣ります。

内蔵GPUはグラフィックボードに比べて高度なエフェクトの使用や、レンダリングやエンコードといった動画編集の処理が遅くなることがあります。その影響により、作業効率が低下し、品質が落ちる可能性もあるでしょう。

その点、グラフィックボードは内蔵GPUよりも画像生成や処理能力に優れるため、動画編集の作業をスムーズに進められます。趣味で動画編集を楽しむ方はもちろん、より本格的に取り組みたい方にもグラフィックボードの使用がおすすめです。


動画編集用にグラフィックボードを搭載するメリット


動画編集用PCにグラフィックボードを搭載することで得られるメリットは、数多くあります。大きなメリットとして挙げられるのは、動画編集の作業効率を向上させられる点です。

グラフィックボードは、搭載される多数の小型コアで大量のデータを一度に並列処理し、高速で複雑な画像処理を行います。具体的には以下のようなことが実現できるため、編集作業が快適に進められるようになります。


・レンダリングの処理が高速になる
・エンコード時間を短縮できる
・プレビューがスムーズに再生される
・高性能な動画編集ソフト/アプリが使用できる
・AI画像の生成をスムーズに行える

レンダリングとは、データを演算、または処理することで映像や画像を表示させることです。レンダリングの処理が高速になるとレンダリングにかかる時間が短くなるため、全体の作業時間を短縮できます。

エンコードとは、ある形式の映像や音声データを一定の規則で圧縮や暗号化を行い、別形式のデータに変換することです。 エンコード時間を短縮できると、編集した動画のファイル出力が大幅に早くなります。

動画編集のプレビューとは、動画の編集内容を確認する作業を意味します。動画編集アプリのプレビュー機能では解像度を変えたり、画面を拡大・縮小したりして、編集作業画面を細かくチェックすることが可能です。

また、多くの場合、プロが使用するような高機能な動画編集アプリでは、グラフィックボードがあると作業がスムーズになります。

これらのアプリは高度な処理を必要とするため、グラフィックボードを搭載していないと一部機能が正しく動作しなかったり、動作が遅くなったりすることもあります。

ただし、動画編集アプリにはグラフィックボードの推奨スペックがあり、スペックを満たさないグラフィックボードでは、アプリの機能を十分に活用できません。
さらに、画像生成AIをローカル環境で高速処理することも可能です。動画編集アプリの自動カット編集など、AI機能を使用する際の処理負荷も軽減できます 。

パソコンにグラフィックボードを搭載するメリットは、以上のような動画編集に関するもの以外にもさまざまあります。たとえば、ゲームが高解像度でプレイできるほか、フレームレートが向上し、動きがなめらかになります 。

またAPIの一つであるOpenGL性能の高いグラフィックボードなら、3DCADの処理もスムーズに進められます。グラフィックボードの中でも高速で並列処理ができるモデルは、機械学習やディープラニングにも最適です。


動画編集用にグラフィックボードを搭載するデメリット


・本体価格が高め
・消費電力が大きい

グラフィックボードの搭載には、デメリットも伴います。第一に挙げられるのは、グラフィックボードの本体価格が高い点です。グラフィックボードは高性能になるほど価格が高くなります。

エントリーモデルのグラフィックボードなら数千~2万円程度、ミドルモデルなら3~10万円程度の価格帯となっており、ハイエンドモデルになると10万円以上かかります。

また、グラフィックボードは高性能になるほど消費電力が増えます。消費電力が大きいと電気代もかかります。

たとえば、NVIDIAのミドルクラス GeForce RTX 4060Tiの消費電力が140wなのに対し、ハイエンドモデル GeForce RTX 5090の消費電力が575wと、RTX 4060Tiの4倍強です。

グラフィックボードの消費電力の違いで、電気代にどの程度の差が出るのかを検証してみましょう。

全国家庭電気製品公正取引協議会が定めている目安単価「31円/kwh(税込)」で電気代を計算してみます。この計算は、あくまで消費電力を基準とした目安となります。

比較するグラフィックボードは、NVIDIAのGeForce RTX 4060TiとRTX 5090です。


RTX 4060Ti RTX 5090
消費電力
(消費電力/1時間)
140W(0.14kwh) 575wh (0.575kwh)
電気代/1時間
(8時間使用)
0.14×31円/kwh=4.34
4.34×8=34.72円
0.575×31円/kwh=17.825
17.8×8=142.4円
電気代/1カ月
(20日間使用)
34.72×20=694.4 円 142.4×20=2,848円
差額 2,848円-694.4円=2153.6円

稼働状況によって異なりますが、消費電力140wのRTX 4060Tiと575wのRTX 5090を1日8時間月20日使用すると差額は2153.6円になります。電気代が気になる場合は、性能と消費電力のバランスが取れたモデルを選ぶのがおすすめです。



動画編集に必要なグラフィックボードのスペックや種類


グラフィックボードは、主にGPUとVRAM、冷却ファン、出力端子などのパーツで構成されています。以下で、それぞれのパーツのスペックを解説します。

GPUの種類:グラフィックボードの頭脳
VRAMの容量:パフォーマンスに影響する
冷却性能:パフォーマンスや静穏性に関係する
出力端子:マルチモニタ数や解像度に関係する

・GPUの種類:グラフィックボードの頭脳


GPUはグラフィックボードの中枢的なパーツであり、主に映像処理を行います。小さなコアを多数搭載しており、複数の命令処理を効率よく行う仕組みである並列処理が得意です。

そのため、大きなデータに対して、複数の計算を行う必要がある動画編集などの作業でその実力を発揮します。GPUにはNVIDIAのGeForceシリーズやAMDのRadeonシリーズ、IntelもArcシリーズなどさまざまな種類があります。その中で動画編集に必要なグラフィックボードを選びましょう。

フルHD動画を編集するなら、GeForce RTXシリーズのGeForce RTX 3050以上、Radeon RXシリーズのRX 6600以上、Intel ArcシリーズのIntel Arc A580以上の性能が望ましいです。

4K動画の編集をするなら、GeForce RTXシリーズのGeForce RTX 4060以上、Radeon RXシリーズのRX 7600 XT以上、Intel ArcシリーズのIntel Arc A770の性能を目安にしましょう。

代表的なGPUメーカーと特徴>
NVIDIA NVIDIAのGeForce RTXシリーズには、エンコーディング技術であるNVENC(NVIDIA ハードウェア エンコーディング)が実装されています。
NVENCで動画の書き出しを高速化、高画質なビデオやマルチストリームビデオを滑らかに再生します。
「GeForce RTXシリーズ」の製品はこちら
AMD AMDのRadeon RXシリーズには、エンコーディング技術の Radeon Media Engineが搭載されています。
Radeon Media Engineでは高解像度の動画編集ができ、さらに動画圧縮時間を短縮し、高速な動画編集を可能にします。
「Radeon RXシリーズ」の製品はこちら
Intel IntelのArcシリーズは、2つのマルチフォーマット・トランスコーダー (MFX) エンジンを搭載しています。
MFXが並列に動作するオンボード・デュアル・メディア・トランスコーダーで、高速な動画編集の作業が可能です。
「Arcシリーズ」の製品はこちら

・VRAMの容量:パフォーマンスに影響する


VRAM(Video Random Access Memory)は、グラフィックボードに搭載されている映像出力に特化したメモリのことです。VRAMは、ディスプレイに画像や映像を表示させるために必要な演算結果を一時的に保存・管理する役割を果たします。

メモリの容量が大きいほど多くのデータを格納できるため、より複雑で高速な処理が可能になります。フルHD動画を編集したい場合は4GB以上、4K動画を編集したい場合は6GB以上のVRAMが必要です。


・冷却性能:パフォーマンスや静穏性に関係する


グラフィックボードの冷却ファンの数は、冷却性能、ひいてはグラフィックボードのパフォーマンスにつながります。動画編集やRAW現象などの負荷が高い作業を行うことでGPUは発熱するため、冷却性能の高さが重要なポイントです。

効率よく熱を排出できないと性能は低下し、作業効率にも影響します。ただし、ファンの数や冷却タイプによっては、作動音が耳障りに感じる場合もあります。静音性に優れる内排気ファンや水冷を検討するほか、メーカー独自の静音性能にも注目しましょう。


・出力端子:マルチモニタ数や解像度に関係する


出力端子とは、グラフィックボードとモニタを接続するための端子のことです。出力端子にはHDMI、DisplayPort、DVI、VGAなどの種類があり、現在はHDMIとDisplayPortが主流です。
モニタによって対応している端子が異なるため、グラフィックボードとモニタの端子が一致しているかを事前に確認することが重要です。端子の種類が異なる場合は変換アダプタを使って接続することも可能ですが、同じ端子同士で接続する方が安定性や画質の面で望ましいとされています。

マルチモニタで使用したい場合は、出力端子数とマルチモニタ数を確認しましょう。グラフィックボードによって3画面、4画面など、映像を出力できるモニタ数は異なります。

また、出力端子が4Kなどの高解像度に対応しているかもチェックしましょう。HDMIは2.0、DisplayPortは1.2以上でないと4K出力ができません。

さらに、グラフィックボードが出力できる解像度も重要です。出力できる解像度が4K対応なのか、8K対応なのか、グラフィックボードの仕様からチェックしましょう。


動画編集用のグラフィックボードの選び方


動画編集ソフト/アプリによるグラフィックボードの「推奨スペック」を確認する
用途や予算に合ったモデルを選ぶ
PCケースに入るサイズを選ぶ
電源ユニット容量(消費電力)で選ぶ

ここからは、動画編集用のグラフィックボードの選び方を解説します。動画編集用に特化した選び方やポイントをご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。


・動画編集ソフト/アプリによるグラフィックボードの「推奨スペック」を確認する


動画編集用のグラフィックボードを選ぶときは、推奨スペックを確認しましょう。前述のとおり、動画編集に必須のソフトやアプリには、グラフィックボードの「推奨スペック」が想定されてます。

たとえばAdobe Premiere Proが推奨するグラフィックボードのスペックは、VRAM 8GB以上です。そのほかDaVinci Resolveのシステム要件はVRAM 4GB以上、FilmoraでHDまたは4K動画を編集する場合はVRAM4GB以上が必要とされています。

ソフト/アプリ 推奨スペック
Adobe Premiere Pro ・8GBのRAM
・HDの場合は16GBのRAM
・4Kの場合は32GB以上
DaVinci Resolve ・HDの場合は4GBのVRAM
・4Kの場合は8GBのVRAM
Filmora ・2 GB のVRAM
・HDまたは4K動画の場合は4GB以上

・用途や予算に合ったモデルを確認する


グラフィックボードのモデルは、用途や予算に合ったものを選びましょう。まずは「フルHDの解像度で動画編集をしたい」「4Kや8Kなどの高解像度で動画編集をしたい」など目的を明確にし、それぞれの用途に合った製品を選んでいきます。

グラフィックボードは、高解像度の動画でも安定して快適に編集できるモデルほど価格が高い傾向にあります。性能不足やオーバースペックにならないように、編集したい動画の解像度やリフレッシュレートに見合った製品か事前に調べてましょう。


モデル 価格帯 特徴・おすすめの人
エントリーモデル ~2万円前後 エントリーモデルはフルHD解像度で動画編集する人におすすめです。
製品はRTX 6000やRTX 3050などを検討するとよいでしょう。
低コストで動画編集したい人や趣味用途の人に向いています。
ミドルモデル 3~10万円前後 ミドルモデルはフルHD・高画質で動画編集する人におすすめです。
製品では、RX 7600やRTX4060などが該当します。
コスパ良くフルHDを編集できるのが魅力です。
ハイエンドモデル 10万円以上 ハイエンドモデルは、4K解像度で動画編集する人におすすめです。
製品は、RX 7900XTXやRTX5900などがあります。
高解像度・高負荷作業に対応できます。

・PCケースに入るサイズを選ぶ


グラフィックボードを選ぶときは、PCケースに入るかも考慮する必要があります。グラフィックボードがPCケースの構造やサイズに対応できるかを事前に確認しておきましょう。PCケースは主に、小型のキューブ・スリム・ミニタワー、中型のミドルタワー、大型のフルタワーの5種類に分けられます。

性能の高いグラフィックボードほど大型になる傾向があります。また、高性能なトリプルファンなど、ファンの数だけ全体のサイズも大きくなります。

PCケースに入るサイズ選ぶ際は、以下のポイントに注意してみてください。

・ミドルからハイエンドクラスでよく見られる大型なグラフィックボードには、主にミドルタワー以上のPCケースが必要になる
・大型の冷却ファンを搭載している場合、拡張スロットをふさぐ可能性がある
・サイズだけでなく、PCケースの形状も考慮する
・PCケースのドライブケージの着脱によってグラフィックボードを搭載できる長さが変わる場合もある

・電源ユニット容量(消費電力)で選ぶ


グラフィックボードを選ぶときは、パソコンの電源ユニット容量との適合性を確認しましょう。一般的には、システム全体の消費電力の1.5〜2倍の容量を持つ電源ユニットを選ぶのが望ましいです。

適合性のある組み合わせを実現できれば、安定した動作と将来のアップグレードに備えられます。

高性能なグラフィックボードほど消費電力が大きくなるため、ゲーミングPCでは電源容量に十分な余裕を持たせてください。


動画編集用のグラフィックボードの選び方まとめ
・動画編集ソフト/アプリの「推奨スペック」に合うものを選びましょう
・性能が高いほど高価な傾向があるので、用途や予算に合ったモデルを選びましょう
・PCケースの構造やサイズに対応できるものを選びましょう
・システム全体の消費電力の1.5〜2倍の容量を持つ電源ユニットを選びましょう

動画編集に最適なグラフィックボードおすすめ3選


・GG-RTX5080-E16GB/OC/TP【3年保証 ハイエンド 高冷却トリプルファン搭載オーバークロックモデル】

GG-RTX5080-E16GB/OC/TP | 玄人志向 GALAKURO GAMING NVIDIA GeForce RTX 5080 トリプルファン搭載 オーバークロック グラフィックボード

メーカー GALAKURO GAMING
GPU GeForce RTX 5080
メモリ容量 GDDR7 16GB
おすすめポイント ・コアクロック 2625MHz、トリプルファン搭載、ハイエンドによる圧倒的グラフィック性能
・VRAMを16GB搭載
・レイトレーシング、アップスケーリング機能NVIDIA DLSS 4、低遅延技術 NVIDIA Reflex 2に対応

・GG-RTX5060Ti-E16GB/OC/DF【3年保証 高冷却デュアルファン搭載オーバークロックモデル】

GG-RTX5060Ti-E16GB/OC/DF | 玄人志向 GALAKURO GAMING NVIDIA GeForce RTX 5060 Ti デュアルファン搭載 オーバークロック グラフィックボード

メーカー GALAKURO GAMING
GPU GeForce RTX 5060 Ti
メモリ容量 GDDR7 16GB
おすすめポイント ・コアクロック 2587MHz、デュアルファン搭載、ゲーム・クリエイティブ・ストリーミングに強いミドルレンジ
・ミドルレンジながらVRAMを16GB搭載
・レイトレーシング、アップスケーリング機能NVIDIA DLSS 4に対応

・RD-RX7600-E8GB/V2【入手しやすい価格帯で初めての増設におすすめ】

RD-RX7600-E8GB/V2 | 玄人志向 Radeon RX 7600 デュアルファン搭載 グラフィックボード

メーカー 玄人志向
GPU Radeon RX 7600
メモリ容量 GDDR6 8GB
おすすめポイント ・入手しやすい価格帯の高コストパフォーマンスモデル
・アップスケーリング機能 AMD FidelityFX Super Resolutionに対応

動画編集用のグラフィックボードに関するよくある質問


Q.グラフィックボードなしで動画編集できる?


A. グラフィックボードなしでも、簡単な動画編集は可能です。しかし、高解像度の動画編集や高度なエフェクトの使用は難しくなります。編集したい動画の質や編集にかかる予算を考慮して検討しましょう。


Q.フルHD動画を快適に編集できるグラフィックボードのスペックは?


A. NVIDIAのGeForce RTX 3050シリーズ以上の性能を持つグラフィックボードをおすすめします。エントリークラスのグラフィックボードに比べると処理スピードが早く、動画編集の効率が大幅に向上します。 そのほか、Radeon RX 7600や、Arc A750程度の性能を持つグラフィックボードがおすすめです。


Q.快適に4Kの動画編集ができるグラフィックボードのスペックは?


A. 4K動画を快適に編集できるグラフィックボードは、NVIDIAのGeForce RTX 4060 Tiシリーズ以上をおすすめします。また、Radeon RX 7800 XT以上や、Arc A770程度の性能を持つグラフィックボードも、4Kの動画編集ができる処理能力を十分に備えています。予算に余裕があるなら、ハイエンドモデルを購入したほうがより編集を快適に進められます。


グラフィックボードで快適な動画編集を!


動画編集をしたい場合は、グラフィックボードの搭載を検討しましょう。とくに仕事として動画編集を行う場合は必須のパーツといえます。グラフィックボードを選ぶ際は、メリット・デメリットを押さえることが重要です。そのうえで、本記事でご紹介した4つの選び方を参考に自分に合う製品を選びましょう。

『CFD販売』では、利用者の用途やニーズに合わせた、さまざまなPCパーツを販売しております。オリジナルブランドのほか、20以上のブランドの製品を取り扱っているため、自分にぴったりな商品が見つかるでしょう。

購入前後に、必要に応じて手厚いサポートも提供しているため、PCパーツにくわしくない方も安心です。グラフィックボードやその他PCパーツの購入を検討している方は、ぜひCFD販売をご覧ください。



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