パソコンの電源ユニットの寿命は何年?故障の前兆や不具合の確認方法、長持ちするためのポイントを解説

公開日 2025/12/4 更新日 2025/12/4

監修者・著者名 シー・エフ・デー販売


パソコンの電源ユニットは重要なパーツですが、寿命について正確に把握している方は少ないでしょう。電源ユニットの故障は突然発生し、大切なデータの損失やシステム全体の不具合を招く可能性があります。この記事では、電源ユニットの一般的な寿命や故障の前兆、寿命を延ばすための具体的な方法について詳しく解説します。

目次


パソコンの電源ユニットとは ?


電源ユニットは、パソコンの根幹部分を担う重要なパーツです。家庭用コンセントから供給される交流電源を、各パーツが利用できる直流電源に変換する役割を果たします。

またコンデンサーに電力を蓄えて電流や電圧の安定化を図り、パソコン内部の各パーツに安定的な電力供給を行う機能も担っています。ATX、SFX、EPSの3つの主要規格があり、PCケースのサイズや用途に応じて適切な規格を選択し搭載する必要があります。



電源ユニットの寿命は何年?


電源ユニットの一般的な寿命は5~10年とされていますが、パソコンの使用頻度や使用方法によって大きく変動します。

長期間使用していると他のPCパーツの進化によって電源ユニットの性能やケーブル規格が見合わなくなることもあるため、一定期間での買い替えは必要になります。


電源ユニットの寿命が近いサイン


      
起動・終了がうまくできない
電源供給が不安定になる
システム動作に異常が生じる
物理的な異常がみられる

以下に電源ユニットの寿命が近いことを示すサインを4つ紹介します。ただし、自作PCのトラブル対応は非常に複雑で、原因の特定には慎重な検証が必要です。そのため同じ症状でも他のパーツが原因である可能性を常に念頭に置いてください。

たとえば、電源が入らない場合でも、特に組み立て直後のPCでは、すべてのパーツやケーブルをいったん外して再接続するだけで解決することが少なくありません。このほかにも、パーツやケーブルの接続不良、マザーボード・メモリ・CPU・グラフィックボードなどの故障など、原因はさまざまです。一つの症状だけで電源ユニットの故障と決めつけず、複数の可能性を考慮しながら総合的に判断することが大切です。


・起動、終了がうまくできない


分かりやすい症状として、電源ボタンを押しても反応しない、または何度も押してようやく起動するといった現象があります。これは電源ユニット内部のコンデンサーや回路が劣化し、安定した電力供給が難しくなっている可能性があります。

ただし、この症状はあくまで想定される多くの原因のうちの一つにすぎません。マザーボードの電源回路の故障、電源ボタンの接触不良、ケーブルの断線など、電源ユニット以外が原因となることもあります。とくに古いパソコンでは、複数の部品が同時期に劣化することも多いため、慎重な検証が必要です。


・電源供給が不安定になる


パソコンは起動するものの、使用中に突然電源が切れたり、勝手に再起動を繰り返したりする場合があります。こうした症状は、電源ユニットの劣化や容量不足が原因の一つとして考えられます。

ただし、CPUやグラフィックボードの高温化、メモリの不安定動作、ストレージやマザーボードの不具合、ケーブル接触不良、電源タップやコンセントの問題、ソフトウェアの不具合なども同様の症状を引き起こすことがあります。そのため、温度監視やケーブル再接続、最小構成での動作確認など、複数の方法を組み合わせて原因を切り分けることが重要になります。


・システム動作に異常が生じる


日常的な操作の中で、スリープモードからの復帰に異常に時間がかかるといった症状が現れることがあります。また、ブルースクリーンエラーが発生する場合もありますが、電源ユニットが原因となるケースはまれで、ストレージやメモリなど他のハードウェアの不具合である可能性も考えられるでしょう。

こうした症状が頻発する場合は、電源ユニットだけでなく、他の部品の状態も含めて総合的に確認することが重要です。


・物理的な異常がみられる


電源ユニットに関する異常の兆候として、音やにおいの変化も挙げられます。ファンから「カラカラ」「ガラガラ」といった音がする場合は、劣化だけでなく初期不良や故障の可能性もあります。一方で、「ジー」といった音は使用中でも発生することがあり、必ずしも不良とは限りません。においについても、揮発性の薬剤によるにおいは正常な場合がありますが、部品の焼損による焦げ臭や煙が見られる場合は注意が必要です。

PCの動作に不調があり、こうした異音や異臭が気になる場合には、ケースを開けて電源ユニット内部を目視で確認してみましょう。(電源ユニットを分解して確認するのは故障や事故の可能性があるため絶対にやらないようにしましょう)
コンデンサーの膨張や液漏れ、回路基板の焦げ跡、金属部分の腐食などが見られる場合は、火災や感電の危険があるため、直ちに使用を中止し、メーカーや販売代理店のユーザーサポートへ相談することをおすすめします。


パソコンの不具合の原因が電源ユニットなのかを調べる方法


通電前の電源ユニット確認
主要コードの接続を確認する
通電後の動作確認
正常な電源ユニットへの交換テストをする
ユーザーサポートに相談する

パソコンに不具合が発生した際、原因を特定するためには冷静な対応が必要です。以下の手順を順番に実施することで、電源ユニットが原因かどうかを効率的に判断できるでしょう。


・通電前の電源ユニット確認


まず、電源ケーブルをコンセントから抜いた状態で、以下の項目を確認しましょう。

PCケースを開けて電源ユニット内部をカバーのスリット越しに目視で確認し、コンデンサーの膨張や液漏れ、基板の焦げ跡がないかを確認します。新品特有のにおいや軽い機械油のにおいは問題ない場合が多いですが、焦げ臭が強い場合は注意が必要です。

次に、電源ユニットから各パーツへ接続されているすべてのケーブルを確認してください。マザーボードの24ピンATXケーブル、CPU補助電源ケーブル、グラフィックカードへのPCIeケーブル、ストレージへのSATA電源ケーブルなどがしっかりと差し込まれているかをチェックします。接触不良が疑われる場合は、各ケーブルを一度すべて抜いてから再度確実に差し直すことが効果的です。


・主要コードの接続を確認する


まず、電源ケーブルがコンセントとパソコン本体の電源ユニットの両方にしっかりと差し込まれているかを確認してください。ケーブル全体を目視でチェックし、曲がりすぎて内部で断線していないか、ペットに噛まれた跡がないか、重いものに踏まれて損傷していないかを調べます。コンセント自体が正常に動作しているかも、他の電化製品を接続して確認しておきましょう。

次に、電源ユニットから各パーツへの内部ケーブルも点検が必要です。マザーボード、CPU、グラフィックカード、ストレージなどへの電源ケーブルがすべて確実に接続されているか確認してください。接触不良が疑われる場合は、各ケーブルを一度抜いてから再度しっかりと差し直すことが効果的です。

ケーブル配線では、窮屈な隙間に無理に押し込むと強い力がかかり接触不良の原因となります。特に端子近くで強く曲がらないよう注意が必要です。エアフローを妨げない範囲で、ケーブルに余裕を持たせた配線を心がけましょう。


・通電後の動作確認


通電前の確認で問題がなかった場合、はじめて電源を入れて動作確認を行います。

電源ボタンを押してパソコンが正常に起動するかを確認しましょう。起動時や動作中に「パチパチ」といった異常な音がしないか、焦げ臭や煙が発生しないかに注意してください。このような症状が見られる場合は、直ちに電源を切り、使用を中止する必要があります。

次に、電源ユニットのファンが正常に回転しているかを観察します。しばらく高負荷作業(3Dゲームや動画編集など)を行い、ファンの動作を確認しましょう。低負荷時にファンが停止する機能を持つ製品もあるため、負荷をかけても回らない場合や「カラカラ」「ガラガラ」といった異音が続く場合は注意が必要です。

ただし、電源ユニットの内部には高電圧回路があるため、絶対に分解したり内部に触れたりしないでください。安全性を最優先に、目視での確認に留めることが重要です。


・正常な電源ユニットへの交換テストをする


予備の正常に動作する電源ユニットをお持ちの場合に限りますが、交換テストは有効な診断方法の一つとなります。

手順として、まずパソコンの電源ケーブルを抜き、ケースを開けて既存の電源ユニットを取り外します。

次に、検証用の正常な電源ユニットを同じ接続順で取り付け、PCを起動します。交換後に症状が改善すれば、元の電源ユニットが不具合の原因である可能性が高いと判断できるでしょう。


・ユーザーサポートに相談する


各種チェックを行っても原因が特定できない場合は、メーカーや販売店のユーザーサポートに相談しましょう。電源ユニット以外の部品が原因となるケースも多く、自力で判断するのは難しい場合があります。症状の内容や発生した状況、使用しているパーツ構成、購入時期などを伝えると、故障かどうかの判断や適切な対応を案内してもらえます。

保証期間内であれば無償修理や交換の対象になることが多く、期限を過ぎていても有償修理や有償による代替品の提案を受けられる場合があります。高電圧を扱う電源ユニットの分解・修理は危険です。安全のためにも、サポート窓口に相談するのも良い方法です。


電源ユニットの長持ちさせるためにやるべきこと


適正温度を管理する
定期的に清掃する
電源を無駄に使いすぎない
用途に合った機種を選択する

電源ユニットの寿命は、使用の仕方や環境管理によっても変わります。以下の対策によって製品寿命や、安定したパソコン環境の構築に役に立つでしょう。


・適正温度を管理する


電子部品に影響を与える要因の一つは温度です。放熱が不十分だと耐久性の低下に影響するため、温度管理は欠かせません。

パソコンの設置場所は、直射日光を避け、周囲に十分な空間を確保して熱がこもらないようにしましょう。暖房器具の近くは避けることをおすすめします。また、PCケース内のエアフローを整えて熱がこもらないようにするのも有効です。

現在では、BIOSの温度監視機能やフリーソフトウェアを利用して、リアルタイムでパソコンの内部温度を監視できます。定期的にチェックして、異常な温度上昇がないか確認しましょう。


・定期的に清掃する


PCパーツにとってホコリは避けたい存在です。蓄積すると冷却効率が下がり、内部温度が上がりやすくなります。

また、ホコリは静電気を帯びやすく、電子部品やファンの動作に悪影響を与える可能性があります。長期間放置すると、ホコリが湿気を含んで固まり、除去が困難になることもあります。

ホコリ対策としては、予防と清掃の両面からアプローチすることが重要です。PCケースにダストフィルターを取り付けることで、エアフローを維持しながらホコリの侵入を減らすことができます。既存のケースでも後付け可能な製品が多数販売されているので、吸気部分を中心に設置を検討してください。

清掃の頻度は使用環境によって調整が必要ですが、一般的な家庭環境であれば3~6カ月に一度程度が目安となります。清掃時は必ずエアダスターを使用し、精密機器への物理的な接触は最小限に留めてください。PCケース内部全体のホコリを除去することで、電源ユニットに流入するホコリの量も削減できます。

なお、電源ユニット自体は分解せず、外部からのエアダスター清掃に留めてください。内部の分解は製品保証が無くなったり感電や故障の危険があるため絶対に行わないでください。


・電源を無駄に使いすぎない


電源ユニットは、常に電圧がかかった状態では徐々に劣化が進行します。夜間や外出時など、明らかに使用しない時間帯は電源を切ることで、部品の寿命を延ばせるでしょう。

ただし、頻繁な電源の入り切りも負荷になるため、1~2時間程度の短時間であればスリープモードを活用することをおすすめします。長時間使用しない場合は電源を落とす、または自動で休止状態になるよう設定しておくとよいでしょう。


・用途に合った機種を選択する


電源ユニットは、使用するパーツの消費電力に見合った容量を選ぶことが大切です。容量が不足すると安定動作が難しくなり、突然のシャットダウンや動作不良の原因になります。

理想的な負荷率は50~70%程度とされており、この範囲で動作できる容量を選択すると良いでしょう。また、80PLUS認証を受けた高効率な電源ユニットは、同じ作業でも発熱と電力消費を抑制できるため、部品の劣化を抑えられます。


電源ユニットが故障した場合の対処法


電源ユニットの故障が確定した場合、まず確認すべきは保証期間です。保証期間内であれば、メーカーや販売店のユーザーサポートへ相談することが最優先となります。無償修理や交換の対象になることが多く、自己判断で分解や交換を行うと保証が無効になる可能性があるため注意が必要です。

保証期間外の場合や、自己責任での対応を選択する場合には、症状の程度と使用環境に応じて適切な対処法を検討しましょう。以下では、主な対処法について解説します。


・新しい電源ユニットに交換する


電源ユニットの故障が確定した場合、最も確実な解決方法は新品への交換です。現在の市場では様々なグレードの電源ユニットが販売されており、予算と用途に応じて適切な製品を選択できます。

自分で交換作業を行う場合は、必ず事前に既存の配線を写真撮影し、マニュアルを参照しながら慎重に作業しましょう。不安がある場合は、無理せずPCパーツ専門店などの専門業者のサービスを利用するのが安全です。


・PC全体の買い替えや新規自作を検討する


長期間使用してきたパソコンで電源ユニットが故障した場合、これを機にPC全体の刷新を検討するのも一つの選択肢です。電源ユニットは比較的耐久性の高い部品で、3年~10年保証の製品もありますが、長年の使用で他のパーツも性能面や耐久性に影響が出ている可能性があります。

とくに、最新ソフトウェアの動作でパフォーマンス不足を感じていた場合は、CPU・メモリ・ストレージなども含めて最新環境に更新する機会といえます。長期的な視点では、部分的な修理よりも新しいシステムへの移行のほうがコストパフォーマンスに優れる場合があります。


おすすめの電源ユニット4選


さまざまなPCパーツの中でも、電源ユニットはパソコンの安定稼働を支える重要な存在です。ここでは、おすすめの電源ユニットを厳選して4つ紹介します。


・KRPW-PK1000W/92+【80Plus Platinum 1000W フルプラグイン】

KRPW-PK1000W/92+ | 玄人志向 80PLUS PLATINUM ATX電源 KRPW-PK シリーズ 1000W

メーカー 玄人志向
電源容量 1000 W
80Plus認証 Platinum
本体寸法 160 x 150 x 86 mm
おすすめポイント ・80plus最高クラスのPlatinum認証で高効率&長寿命
・フルプラグインフラットタイプで、ケーブルの取り回しもスッキリ
・高品質高耐久の日本メーカー製コンデンサ採用で安心
・大型13.5cmファンとセミファンレス機能で冷却&静音もバッチリ
・長期5年保証

・KRPW-GA850W/90+/WHITE【80Plus Gold 850W フルプラグイン】

KRPW-GA850W/90+/WHITE | 玄人志向 80PLUS GOLD ゲーミングPC向け ATX電源 850W ホワイトカラー

メーカー 玄人志向
電源容量 850 W
80Plus認証 Gold
本体寸法 150 x 150 x 86 mm
おすすめポイント ・80plusハイクラスのGold認証で高効率&長寿命
・フルプラグインフラットタイプで、ケーブルの取り回しもスッキリ
・高品質高耐久の日本メーカー製コンデンサ採用で安心
・大型13.5cmファンとセミファンレス機能で冷却&静音もバッチリ
・安心の3年保証

・KRPW-AK750W/88+【80Plus Silver 750W】

KRPW-AK750W/88+ | 玄人志向 80PLUS SILVER取得 ATX電源 750W

メーカー 玄人志向
電源容量 750 W
80Plus認証 Silver
本体寸法 150 x 140 x 86 mm
おすすめポイント ・80plusミドルクラスのSilver認証
・1次側は高品質高耐久の日本メーカー製コンデンサ採用
・安心の3年保証

・KRPW-BK650W/85+【80Plus Bronze 650W プラグイン】

KRPW-BK650W/85+ | 玄人志向 80PLUS BRONZE取得 ATX電源 650W(プラグインタイプ)

メーカー 玄人志向
電源容量 650 W
80Plus認証 Bronze
本体寸法 150 x 140 x 86 mm
おすすめポイント ・80plusエントリークラスのBronze認証
・プラグインフラットタイプで、ケーブルの取り回しもスッキリ
・高品質高耐久の日本メーカー製コンデンサ採用で安心
・安心の3年保証

パソコンの電源ユニットの寿命に関するよくある質問


電源ユニットの寿命について、多くのユーザーから寄せられる質問にお答えします。適切な選択と使用方法を理解することで、より長く安定してパソコンを使用できるでしょう。


Q.電源ユニット選びで寿命を重視する場合のポイントは?


A.80 PLUS認証グレードの高い製品を選び、使用環境に対して余裕のある容量を確保することが重要です。
また、定評のあるサポートに厚いメーカーの製品を選択し、適切な冷却機能を備えたモデルを選ぶことで長期間のシステム運用が可能になるでしょう。


Q.電源ユニットは10年以上使える?


A.適切な使用環境と定期的なメンテナンスを行うことで、製品によっては10年以上の使用も可能ですが 、技術進歩により新しい規格への対応が困難になる場合があります。
また、他のパーツとの互換性や効率性を考慮すると、5年程度での交換が推奨されます。


Q.電源ユニットの容量と寿命に関係はある?


A.50〜70%程度の適正な負荷率で動作する容量を選ぶことで、長期間の運用が可能になります。容量不足や過剰な容量は効率低下や発熱増加を招くため、システム構成に適した容量を選択することが重要です。


電源ユニットを長持ちさせるならメンテナンスが重要


電源ユニットの寿命は使用方法次第で大きく変わります。一般的な寿命は2〜5年ですが、適切な温度管理と定期的なメンテナンスによって、より長い期間使用することが可能です。

故障の前兆を見逃さず早期に対処することで、大切なデータやシステムを守ることができます。また、電源ユニット選びでは単なる価格だけでなく、長期的な信頼性と効率性を重視することが結果的にコストパフォーマンスの向上につながるでしょう。

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